新宿。歌舞伎町が、いまほど猥雑ではなかったころのある日。
「モダンジャズは好き、ですよね?」
「これからセッションをします。ぜひ聴いてください」と声をかけてきた女性がいた。
ぼくと同じ二十歳前後。ジーンズの濃いブルーと、白いシャツのコントラストが、彼女の爽やかさを一層ひきたてていた。
案内されたのは小さな雑居ビルの最上階で、フロアの約半分を占めるテラスに、テーブルと椅子が数セット。
聴衆は10人前後。9月の午後の陽射しはきつかったけど、風が心地よかった。
彼女がジントニックをもってきた。何の説明もなく演奏が始まった。
曲は「枯れ葉」。ウェス・モンゴメリー風のギターが小気味よい。
サド・ジョーンズやソニー・クラークの曲。ラストは「マック・ザ・ナイフ」。
Author:yoh・yoh
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